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捨て猫という名前の猫 柚木草平シリーズ
捨て猫という名前の猫 柚木草平シリーズ (JUGEMレビュー »)
樋口 有介
さすがに美女が多すぎて話が渋滞する
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吉祥寺の朝日奈くん/中田永一 ★★☆

 彼女の名前は、上から読んでも下から読んでも、山田真野。吉祥寺の喫茶店に勤める細身で美人の彼女に会いたくて、僕はその店に通い詰めていた。とあるきっかけで仲良くなることに成功したものの、彼女には何か背景がありそうだ…。愛の永続性を祈る心情の瑞々しさが胸を打つ表題作など、せつない五つの恋愛模様を収録。  (「BOOK」データベースより)

 

 乙一の中田永一名義としては「百瀬、こっちを向いて」に続く第二短編集。気持ちが繋がっていく感覚が面白い「交換日記はじめました!」。思い出に静かに決着をつける「ラクガキをめぐる冒険」。友情と恋心の間で揺れる「三角形はこわさないでおく」。お腹がよく鳴る女の子の話「うるさいおなか」。人妻との恋愛模様を描いた「吉祥寺の朝日奈くん」の全5編を収録。表題作は桐山漣主演で映画化されている。

 

 いづれも戸惑いや罪悪感、コンプレックスなどの心の中にあるモヤモヤを静かに解決していくような話。「百瀬こっちを向いて」より動きが少なく、内省的な話が多いがその静けさが心地良い。表題作も良いが、小山内さんが魅力的でツトムの最後の一言が印象に残る「三角形はこわさないでおく」がベスト。

 

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| [国内【な行】] 中田永一 | 13:40 | comments(0) | trackbacks(0) | |
孤狼の血/柚月裕子 ★★☆

 昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。 (「BOOK」データベースより)

 

 役所広司、松坂桃李等出演で映画もされた日本推理作家協会賞受賞作。「仁義なき戦い」の世界観に悪徳警官を突っ込んだような話で、作者のイメージは「トレーニング・デイ」+「仁義なき戦い」なのだとか。確かに、最初に喫茶店での待ち合わせするあたりは「トレーニング・デイ」を意識してる感じではある。

 

 「仁義なき戦い」をしっかり(という言い方も変だが)オマージュしていてキャラやストーリーも悪くない。全体的に卒なくまとまっているとは思う。が、そこから突き抜けるものがないのは残念。前回読んだ大沢在昌だったらこれぐらいのまとまりがあった上で(全ての作品ではないにしろ)更に上の盛り上がりがあるはずで、ちょっと物足りない。(以下ネタバレ。ドラッグ等で文字色を反転させてお読み下さい)日岡がスパイだったというオチがその盛り上がりだったのかもしれないが、序盤で検討がついてしまったのであんまりインパクトがなかった。

 

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| [国内【や行】] 柚月裕子 | 22:46 | comments(0) | trackbacks(0) | |
新宿鮫X 絆回廊/大沢在昌 ★★★

 「警官を殺す」と息巻く大男の消息を鮫島が追うと、ある犯罪集団の存在が浮かび上がる。中国残留孤児二世らで組織される「金石」は、日本人と中国人、二つの顔を使い分け、その正体を明かすことなく社会に紛れ込んでいた。謎に覆われた「金石」に迫る鮫島に危機が!二十年以上の服役から帰還した大男が、新宿に「因縁」を呼び寄せ、血と硝煙の波紋を引き起こす! (「BOOK」データベースより)

 

 新宿鮫シリーズの10作目。6作目の「氷舞」、8作目の「風化水脈」など番外編的な話を交えつつ巻を重ねてきたシリーズだが、本作は前作「狼花」に続いてシリーズ本道とも言えるストーリー。これも「狼花」に引き続きレギュラー登場人物との関係にも動きがあってこのシリーズもいよいよ佳境に入ったと思わせる。相変わらず複数の筋が一気にまとまっていくプロットは読ませるし、シリーズがこれだけ進んでなお守りに入らず主人公を追い込んでいく展開を書くのも凄い。

 

 ただ、シリーズの分岐点となる話だった割にはいまいちインパクトに欠けた印象。新宿鮫と言う事でハードルを上げてしまっていた面もあるが、良くも悪くもいつも通りの話だったのが物足りないと言うか。本作自身より、この展開を経て次作はどういう話になるんだろうという興味の方が先に立ち、なんとなく次作への繋ぎの回のように感じてしまった。本作も標準以上には面白いんだが、平均点の高いこのシリーズでは下位の評価になってしまう。

 

 新宿鮫XIは小説宝石で2018年4月に連載が始まったようだが、本作の発売は2011年。リアルタイムで読んでたら相当長い間待たされる事になっていただけに読むのが遅れてラッキーだった。次作が最終巻になる可能性もあり、どういう展開を見せるか気になる。楽しみ。

 

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| [国内【あ行】] 大沢在昌 | 22:55 | comments(0) | trackbacks(0) | |
貴族探偵/麻耶雄嵩 ★★☆

 信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か?捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生!傑作5編を収録。(「BOOK」データベースより)

 

 嵐の相葉君主演でドラマ化もされた貴族探偵シリーズの第一短編集。ドラマ放映からしばらく経ったがようやく読了。ドラマ版は一話目でギブアップして見ていないが、原作通りの展開なら視聴率が取れなくても当然のマニア向けドラマになっていそうだ。

 

 主役の貴族探偵が一切推理をしないという設定は推理小説における探偵役とは何かということを問い続けている作者らしいユニークな設定だが、単純なコメディ要素としても楽しめる。「メルカトルかく語りき」に引き続きロジックに対する深い拘りも健在で、どの作品も出来は良い。

 

中でも一番は「こうもり」。短編のオールタイムベストとして名が挙がる事の多い作品だが、(以下ネタバレ。ドラッグ等で文字色を反転させてお読み下さい)貴生川が貴族探偵ではないと疑っている隙に思いっきり騙される快作。この作者がそう素直な話を書くわけがないと思いながらも騙されてしまう。

 

ロジックへの拘りという面では正統派の「加速度円舞曲」も良かったが、ロジックを突き詰めた末にとんでもない結論に至る「春の声」が「メルカトルかく語りき」の1編や「翼ある闇」を思い起こさせる作者らしい作品。これも良かった。

 

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| [国内【ま行】] 麻耶雄嵩 | 16:59 | comments(0) | trackbacks(0) | |
幻の女/ウイリアム・アイリッシュ ★★☆

 夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった……ただ一人町をさまよっていた男は、奇妙な帽子をかぶった女に出会った。彼は気晴らしにその女を誘ってレストランで食事をし、カジノ座へ行き、酒を飲んで別れた。そして帰ってみると、けんか別れをして家に残してきた妻が、彼のネクタイで絞殺されていた! 刻々と迫る死刑執行の日。唯一の証人「幻の女」はどこに? サスペンスの詩人の、不滅の名作。(Amazon.comより)

 

 

 各種オールタイムベストでも上位常連の名サスペンス。「夜も若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」という書き出しも有名で、抒情あふれる文体も評価されている。文体に関しては評判ほどグッとくるものはなかったが、サスペンスとしては面白く読めた。どこかで(以下ネタバレ。ドラッグ等で文字色を反転させてお読み下さい)幻の女自身が犯人という嘘のネタバレを教えられて読むのを避けていたが読んで良かった。そもそも犯人違うし。

 

 古典だけに派手さには欠け、やや古臭さは感じるものの幻の女という設定やタイムリミットサスペンスは今でも魅力的。基本はしっかり抑えているので読ませる。(以下ネタバレ。ドラッグ等で文字色を反転させてお読み下さい)どんどん都合良く人が死んでくなあなどと油断して読んでいたらしっかり騙された。今でも十分楽しめる作品だと思う。

 

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| [海外【ア行】]ウイリアム・アイリッシュ | 21:41 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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