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捨て猫という名前の猫 柚木草平シリーズ
捨て猫という名前の猫 柚木草平シリーズ (JUGEMレビュー »)
樋口 有介
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戻り川心中/連城三紀彦 ★★★★

 大正の歌人苑田岳葉は二度の心中未遂の末、二人の女を死に追いやり自らも事件を歌に詠み上げた後自害した。二つの心中事件を調べていた「私」は苑田の奇妙な行動を手掛かりに歌に秘められた驚くべき真実を知ることになる(戻り川心中)

 

 名作と名高い短編集。花葬シリーズ全九作の内五作を収録。シリーズと言ってもどれも独立した作品なので読む順番がどうのとかいうことは気にする必要はない。

 

藤の香
 美しい情景描写(花葬の川の情景!)、設定の巧みさ(代筆屋という職業と時代設定)、男女の情とミステリーの融合(藤の花の意味が鮮やかに反転する見事さ)と、この短編集の魅力的な要素が全部詰め込まれている第一話にふさわしい作品。

 

桔梗の宿
 (この短編集の中では)動機の意外性は高くなく、(以下ネタバレ。ドラッグして読んで下さい)お七の話を知っている人は真相に気付いたかも(気付かなかったけど)。純粋な本格ミステリーとして読むとそれほどでもない気がするが、ミステリー仕立ての悲恋話として見ると出来はいい。この短編集で一番好き。 

 

桐の柩
 解説にも書いてあるようにこの設定ならではのトリックが見事。動機の意外性(異常性か? そこまでやるかという驚き)はこの短編集の中でも一番。一番ピンとこなかった話でもあるが周りのレベルの高さによるものなので。悪くはない。

 

白蓮の寺
 前半で描かれる主人公の記憶と情景が、その意味を何度も反転させながら真実と重なっていく。サスペンス的な面白さで次々と状況が変わっていくのは楽しい。長編を無理矢理短編にしたような密度の高い話でミステリーとしてはこれが一番面白い。

 

戻り川心中
 表題作にして、作者の代表作とも言える短編。ハードルを上げて読んでしまった分、衝撃は受けなかったが、やっぱり動機の反転は見事。菖蒲の花が流れていく場面が印象に残る。(以下ネタバレ)作者はともかく岳葉に偽の真相を作る意図はあったのかどうかが気になる。

 

 全作品動機が凄い(変)。この動機を少なくとも小説を読んでいる間は納得させられてしまうのが作者の腕、文章力だろう。大半の話がAだと思っていたものが実はBだった系の話なんだが何作読んでも騙されてしまうのも凄い。最初の「藤の香」が良い作品だと思ったら次々とそれ以上の作品が出てくるのに驚かされる。「桔梗の宿」のところにも書いたように恋愛小説として読んでも十二分に楽しめる作品で名作という評判に偽りなし。傑作短編集だ。

 

JUGEMテーマ:ミステリ

| [国内【ら行】] 連城三紀彦 | 17:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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