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くちびるに歌を (小学館文庫)
くちびるに歌を (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
中田 永一
なんてことない青春小説なんだが小説の巧さで読ませる
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ハティの最期の舞台/ミンディ・メヒア ★★★

 ある朝、ミネソタ州の田舎町パインヴァレーで少女の死体が発見される。湖畔にある廃屋で刺し殺されていたのはハティ・スー・ホフマン18歳。優等生で演技の才もあったハティは高校の演劇部によるシェイクスピア劇でマクベス夫人を演じた後行方不明になっていた。ホフマン一家と親交のあった保安官デルはやり切れない思いを抱えながら捜査を進めていくが……。

 

 初の邦訳となるミンディ・メヒアの第二長編。

 

 被害者のハティとハティが通う高校の教師ピーターの回想、保安官デルによる捜査という3つのパートで構成される本作。解説には若い女性の独白でストーリーが語られることなどから「ゴーン・ガール」と並べて語られることが多いと書かれていたが、むしろ回想形式で結末(悲劇)に至るまでが描かれるていくという作風からトマス・H・クックを連想した。クック作品が好きな人はこの作品も楽しめると思う。クックの代表作と比べてしまうと(特にサスペンスの面で)可哀想だがこの作品も十分良い作品。クック作品でも最近読んだ「心が砕ける音」あたりよりはこちらの方が好きだ。保安官デル視点の捜査パートもスタンダードな警察小説として悪くない出来。

 

 過剰なキャラクターや展開にせず淡々とやるせない悲劇に至るまでを描いたのも好印象。(以下ネタバレ。ドラッグ等で文字色を反転させてお読み下さい)本作に本当の意味での悪人は存在しない。ハティの傲慢な自意識と幼さは思春期の少年少女がよく持つもので、ハティ自身も自覚し変わろうとしていた。ピーターは情けない男だが、しかし自分がこの状況に置かれて正しい行動が取れるのか(そもそも解説に書かれていたように何が正しいのかもわからないが)と聞かれるとその自信はない。二人の過ちは誰もが経験する可能性のある等身大の過ちで時が経てば苦い、あるいは恥ずかし思い出となっていく筈のものだった。よくある過ちだけに少しのボタンの掛け違いでよくはない悲劇になるやるせなさが胸に残る。派手さはないが良作だろう。

 

JUGEMテーマ:ミステリ

| [海外【マ行】]ミンディ・メヒア | 17:29 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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